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2009年7月10日 (金)

健康診断・断酒前と後

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会社で年に一度の健康診断を受けた。

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 断酒以前の数年間、この健康診断はぼくにとって鬼門だった。肝機能を筆頭に、血圧、コレステロール値、尿酸値などいつも引っかかっていたからだ。

 一応検査日は会社から指定される。けれど、その日程通りに行ったことはまずなかった。禁酒日をできれば1週間、最低でも2日はとらないと、肝機能がとんでもない値、具体的にはガンマGTPで300を確実に超えることがわかっていたから。

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 肝臓の再生能力というのはたいしたもので、数日の禁酒でも数値はかなり下がる。でも、すでに連続飲酒の習慣が身についていたぼくにとって、たった2、3日でも酒を飲まないでいることは至難の業だった。検査予定日前日に酒を飲み自主延期、ということが続いた。

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 今は、自慢ではないが、健康診断いつでもいらっしゃい!! てなもんだ。人間、変われば変わるものである。

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 血圧も断酒以降は落ち着いているし、コレステロールなど成人病の要素も基準内におさまるようになった。逆を言えば、断酒前いかにボロボロだったか、ということでもあるのだが。

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 今もまわりには、かつての自分と同じように直前禁酒する同輩が多い。それじゃ健康診断の意味がない、と言いかけてやめる。余計なお世話だよね。ただ、ぼくのように、気がついたら一生酒を飲めない身になることもある。くれぐれもご自愛を。

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 なんだか健康オタクみたいな言い方になってきている自分がおかしい。いつかは必ず逝く身なのにネ。でも、一度失ったからこそわかることもある。「二つよきことさてないものよ」とは河合隼雄さんがよく使っていた言葉だが、健康と酒のどちらかを選べといわれたら、いまのぼくは健康だ。酒は捨てる。捨てて今を得ている。本音はもちろん、両方手にしたいところだけれど。

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2009年7月 2日 (木)

法事のあと

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 先日、父の七回忌と母の二十七回忌をあわせて行なった。

 本来なら父は今年の8月、母は来年の5月に行なうのが筋だが、真夏のお墓は暑いし、半年で2回も同じ方々にご足労頂くのもなんだしと、お寺さんに相談したら、涼しいうちに合同でやりましょうということに相成った次第。

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 父も母も4人兄弟で、身内だけといっても15名を超える法要となった。父の兄は88歳の米寿、兄弟のご子息、つまりぼくにとっての従兄弟たちもすでに還暦を越える人が増え、若輩者のぼくにとってはなにかと気を遣うことが多かった。

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 さらに今回は姉のところが手一杯で、食事やらお土産やらの手配も男一人でやらざるをえなかった。孤軍奮闘で、父母の思い出やその後の歳月を振り返るゆとりもないまま、今ようやく落ち着きを取り戻しつつある。

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「咳をしても ひとり」(山頭火)

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 係累というのを直系の1親等、つまり親、配偶者、子どもに限定するなら、今のぼくには係累がない。かろうじて血筋としては姉とその子ども、甥と姪がひとりずついるが、こちらは姓も違うし、お互い養育の義務を持たない。もしぼくに何かが起きたら多少の遺産が彼らに渡る程度の間柄だ。もちろん自分の老後を彼らに頼るつもりもない。

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 人はひとりでは生きていけないという。

 人は結局は一人なのだともいう。

 ぼくは、どちらも真実だと思う。どちらか一面だけで語れるほど単純ではない、というだけのことだ。

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 親の大きな区切りの法要を二つ済ませ、ぼくは自分だけのために生きていこうとあらためて思う。

 自分だけのために生きて、気がついたら誰かのために生きていた。そんなことを夢見たりする。

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 住職が「6年後は十三回忌と三十三回忌か」とおっしゃった。もとより、6年後の生死すら不明の浮世なれど、しなやかな係累を持つ身で迎えるのもいいか。もちろん断酒したままで。

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2009年6月27日 (土)

三笠宮寛仁さまが入院

 昨日の読売新聞に短く掲載されていた記事。

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「宮内庁は25日、三笠宮寛仁さまがアルコール依存症による脱水と血圧低下などのため24日夜、宮内庁病院に入院されたと発表した。入院期間は数日間の見通し。寛仁さまは2007年6月、アルコール依存症と診断されたことを公表し、専門医の治療を受けられた。」

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 髭の殿下、まだ克服できていないようですね、アルコール依存症。

 2年前、公表されたとき、このブログでもエールをお送りしたのですが。

 脱水症状を起こしたということは、断酒し切れていないのでしょう。でも、今のところ、断酒しか治療手段はないのです。これは地位や財産に関係なく、みんな平等に、そうなのです。

 寛仁殿下、今回の入院をきっかけに、断酒再チャレンジしてください。ご健闘を。全国の仲間が、見守っていますから。

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2009年6月20日 (土)

エアコン、効いてますか?

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 本格的な夏をひかえ、そろそろ部屋のエアコンを動かす頃。

 みなさんのエアコンは、きちんとした仕事をしていますか?

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 ぼくの居間のエアコンは、昨年からほとんど効かなくなっていた。なにしろ、出てくる空気が冷たくない。外気に比べて、若干涼しいかな、という程度。家を訪れた人にも「このクーラー、効かないね」と言われ、手入れが悪いのかと、こまめにフィルターを掃除したりもしていたのだが。

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 今季はじめて動かした2週間前、運転開始30分くらいで、電源が切れてしまった。再度挑戦するが、やはり1時間と持たずにダウン。本来温度を示す液晶が、9と-4という数字を交互に点滅させている。購入してまだ2年半、3度目の夏を迎えてもいないのに、壊れた~。

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 結論から言うと、取り付けの際の工事ミスだったようだ。メーカーの修理員に見てもらったところ、本来1500単位あるはずの冷却ガス(むかしはフロンだったが、今は何と言うのだろう?)の圧力が、600以下、つまり三分の一に減っていたのだ。パイプをつないでいたバルブの締め付けがあきらかに弱く、徐々にガスが漏れてしまったらしい。購入時の一年の保証書は期限切れだったが、メーカーの修理員は、当初2万円はかかると見積もっていた修理代を請求せずに帰っていった。販売設置した量販店にメーカーとして交渉します、とのことだった。シャープさん、偉い!!

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 どんなに優れた商品を作ったとしても、設置段階で3年殺しみたいな仕事をされては、メーカーだってたまったものではないだろう。エコ設計もなにも吹き飛んでしまう。

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 もちろん、購入者が一番たまったものではない、のだが。

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 まあ、今回手入れしてもらったことで、逆にこのエアコンの寿命は延びたかもしれない。身体の病、心の風邪とかも、同じように考えるべきなのだろう。レッツ、ポジティブシンキング。

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2009年6月16日 (火)

親知らずの抜歯

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 久里浜病院に通院した平日の夕方、ちょっと空き時間ができたので、自宅近くの歯医者に予約なしで入る。

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 半年ほど前、歯石を取ってもらったとき、詰め物に隙間ができているので根本的に治しましょうと言われていたのを、忙しさにかまけて放っていた。これからしばらくは定時で帰れそうなので、歯医者通いを思い立ったのだ。突発的に。

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 で、その日のうちに、親知らずを一本抜いた。

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 ある年齢以上になれば、自分の歯はできるだけ残しておきたいと思うものだ。でも、院長(というか一人しか先生はいないが)は、噛み合わせの歯もないし、これは残せば後々やっかいの元になる、今のうちに抜いてしまおうと言う。

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 しばし考え、専門家に従うことにした。

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 そして最近の歯科技術の進歩を肌身で知った。麻酔注射自体が痛くない。針が細くなったとか、薬が即効性になったとか、そういうことなのだろう。抜歯自体もあっけないほど簡単に終わった。ぼくは若い頃、歯を藪医者にぼろぼろにされた苦い経験がある。今の若い人は、少なくとも歯科医療に関しては幸せだ。(今は過当競争で歯医者さんもやさしく優秀になったが、むかしは藪が大手を振っていた)。

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 麻酔が切れた2時間ほどは鈍い痛みがあったが、翌朝には普通に食事をとることができた。院長の言うとおり、無駄な歯がなくなったおかげでブラッシングが楽になった。抜いて正解だな、と思った。

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 余談だが、アルコールや薬物は歯をてきめんに駄目にする。シンナーが歯を溶かすとはよく言われるが、アル中患者にも歯抜けは多い。とくに若年から依存していると影響を強く受ける。たかが歯と軽く見ないほうがいい。

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 今週末、父親の七回忌と母親の二十七回忌を兼ねて法要を行なう。その前に長年温存していた親知らずを抜いた。なにかの縁だろうか。そろそろ名実ともに親離れしろよ、ということなのだろうか。

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 世間も人も、時間とともに進歩する部分がある。そう思った方が、心の持ち方として幸せだろう。そう、ぼくもたぶん、いまもなお、進歩しているはずだ。たぶん、きっと。

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2009年6月 8日 (月)

本と森の交換

 18日間、3週間半にわたって忙しい展示会の仕事をしていた。先週の金曜が最終日で、営業が終わってから撤去作業、そして会場の鍵を閉め、やっとひと段落。

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 で、翌日の土曜日は朝の5時半に車を出し、途中友人をピックアップして福島県の只見という町に向かった。赤のMINIクーパーの後部座席を倒し、本が詰まったりんご箱7箱を積んでいく。2箱はぼくの、5箱は友人の分だ。

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  只見町では村おこしの一環として、本を森と交換するという試みを数年前からしている。なんでも買い取り価格で約2000円分を、森1坪と交換してくれるのだという。編集の仕事をしている友人が仕事でたまった本をそこに宅配便で送るというので、ならばぼくの分も一緒に、ドライブがてら持参してみようということになったのだ。なにしろ今なら休日は高速道路1000円だから。

 只見まで片道約300キロ。関越から山道を通り、濃い緑のなかを走る。窓を開けると春風とともに、春蝉の鳴声が聞こえる。途中から知ったのだが、只見線というのは鉄道マニアの間ではかなりの人気なのだという。あとで川沿いの単線を2両編成で走る電車を見ることができた。

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  村おこしの集落に着き、荷物を降ろす。買い取り価格などは2週間ほど後郵送で知らせてくれるという。食堂はないので、手作りパン屋でパンを買い、山小屋のような古本屋兼喫茶店に持ち込んで昼食とする。まわりは山だらけ。一日前までしゃかりきになって働いていたのに比べ、なんとのどかな。住むには大変だろうが、旅人として訪れるには素敵な場所だった。

 同じ道を戻るのもなんだし、ということになり、北上して磐越道から東北道経由で帰ってきた。走行距離750キロ。 結局、遊ぶときもしゃかりきになってしまった。翌日は、仕事と遊び両方の虚脱感をかかえ、ぼーっとしていた。

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 個人的に高速道路休日1000円の経済刺激策は大歓迎だ。効果もあると思う。(ただし、ぼくが地元に落としたのは、古本と数百円の昼飯代だけだったが……)。

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ところで、友人は土産に会津の日本酒を買うつもりだったが、時間がなかったので帰りの高速道路のサービスエリアで探そうとして、結局一本も見つけられなかった。高速道路の売店での酒類販売は、みやげ物も含めて、厳しく規制されているようだった。飲酒運転対策ということなのだろう。 そのうち、田舎の駐車場つきスナックというのも姿を消していくのだろうか、などとふと思った。 

2009年5月31日 (日)

業務多忙と食生活

 今の職場になって、この5月中旬から6月初旬までの約一ヶ月間は、年間でも最も業務多忙な時期のひとつになる。

 仕事の内容については、おいといて。

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 帰宅が夜の9時近くになる。普段より2時間ほど遅い。

 普段は、それなりに自炊している。15分間クッキングと称して、炭水化物、たんぱく質、野菜、それに汁物を速攻でそろえる。男の料理だから見た目は良くないが、一応夕食をとったという区切りはつく。

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 ところがこのところは、もっぱら帰りがけに買ったコンビニ弁当か、持ち帰りの寿司とか。野菜不足になるので、手間のかからないキュウリとトマトを添えるが。

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 便利な世の中になったとは思う。コンビニは便利だ。

 でも、なんだか疲労が抜けないのは、なぜだろう。たぶん、コンビニ弁当では、一日の区切りがはっきりしないのではないだろうか。食生活というのを、軽んじてはいけない。んじてはいけない。

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 もし断酒していなかったら、この時期、確実に酒量は増え、さらにつらい日々となっていたことは想像に難くない。 とりあえずはあと一週間。 コンビニ弁当の便利さに染まらないうちに、解放されたい。

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2009年5月24日 (日)

アルコールと脳、脳と鬱病……

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 前回報告したように、さいわいぼくの場合は3年半の断酒で、アルコール性とされていた脳萎縮がある程度治っていることが判明した。

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 脳の萎縮とはどんな状態か? MRI検査で頭部の断面図を撮る。頭蓋骨の中に脳が納まっているのが見てわかる。 まず、この頭蓋骨と脳の間の隙間が、広がっている。それから、右脳と左脳の間や、脳の中にも空間ができている。 健常者の脳と比較すれば、素人でもたやすく見分けることができる。(もちろんお医者さんが指差して説明してくれたのだけど)。

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 これは、加齢とともに進むものではある。個人差はあるだろうが、80歳の脳と、20歳の脳を比べれば、80歳のほうが脳は縮んでいるものだ。 もちろん、だからといって老人が若者より脳機能が劣っているとは断言できないが、好んで老化を早めることもないだろう。アルコールによる脳萎縮とは、つまり、そういうことだ。ボケる可能性が高まる、ということだ。そうぼくは理解している。

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 ぼくは鬱病治療の過程で、アルコール依存症を指摘されたのだが、鬱病と脳萎縮には因果関係があったと思う。だから治っていると聞いたとき、素直に嬉しかったのだ。

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 ただ、鬱病はアルコールだけが原因だったかというと、そうではない。遺伝的要素とか、長年かけて形成されてきた性格とか、それにストレスとかが重なって、複合的に発病したのだと思う。 初期の鬱状態がまずあり、それらを発散させようと酒に走ったことが鬱病を悪化させた、という図式が正しい気がする。

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 だからぼくにとって断酒は、鬱状態に戻らないための必要最低条件であって、その他の精神的ケアもたぶん大切なのだ。周りの人に、ぼくが断酒を楽に続けているように見えるとしたら、それが一因かもしれない。断酒だけで安心していられる状況ではないのだ。

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 それにしても、鬱病への対抗策が「清く正しい食生活」とは!!

 ぼくの場合、いまのところ結論は、つまらないくらいシンプルである。

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2009年5月16日 (土)

脳萎縮が治っていた!!

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 断酒のきっかけになった、頭部MRI検査による脳の断面写真。

 3年半前、画像をじかに見せられ、医師から言われた。

「脳のあいだに隙間があるの、わかりますか? 脳が実年齢より萎縮しています。そうですね、15年分くらい。アルコールの影響です。 断酒すれば、3年くらいで元に戻る可能性はあります。必ずとは言い切れませんが」

 先週、久里浜アルコールセンターで担当Dr.が、カルテを見ながら笑顔で宣言してくれた。

「脳萎縮、治っていますよ。先月の検査結果が出ています。がんばりましたね。でも、またお酒飲むとすぐ逆戻りだから、気を緩めないで」

 嬉しかったなあ。しみじみと。

 現代人の常識として、人間の「心」は「脳」にあるとぼくも考えている。だから、その脳が萎縮して、小さくなって、機能障害を起こしていたことは、なによりもショックだった。あの断面図がなければ、断酒の決意はしなかったかもしれない。

 先月MRI検査を受けるとき、担当Dr.は、「あまり期待しないでくださいね」とフォローしていた。ぼくも、実感として頭の機能は戻ってきているし、前回検査からさらに年齢を重ねているのだから、治っていなくても仕方ないな、と半ばあきらめていた。

 同病の方に伝えたい。過度のアルコールの害は、たいてい長期間にわたって蓄積されているので、治るのにも時間がかかる。でも、アルコールが原因ならば、断酒すれば、体の自己治癒力で、治るものは治る。結果をあせらず、信じて継続すれば、あらたな光景も拓けてくる。

 大きなことを言える立場ではないが、ささやかでも、自分が恢復していく実感をもているというのは、生きている上でとても励みになるものです。

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 さて、理屈屋なので蛇足ながら。

 「心」は「脳」にある、というのは実感だ。「心」がその時の感情、喜怒哀楽、生きる力などを指すのなら、「脳」の障害は「心」の機能に確実に関連している。最近の脳科学ブームで、脳のどの部位が、認識や感情をつかさどっているかもかなり解明が進んでいるようだ。

 ただ、「魂」は「脳」にあるのか、という疑問は残る。自分を自分だと認識している、まさにこの「自分」というやつ。

 せっかく戻った脳を駆使して、そんな生活の役には立たないことを、ゆったりと考えていくつもりだ。

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2009年5月10日 (日)

落とし穴

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 4月は職場に定年退職者がいたこともあって、飲み会が多かった。

 断酒歴3年半、たいていのことには動じなくなってきたが、それでも思わぬところに落とし穴や、罠が仕掛けられていたりする。

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 今回ひやっとしたのは、立食パーティでのこと。酒類は一切駄目なので、もっぱら食べる方専門だ。最近は甘いものにも自然と手が出る。

 宴も後半となり、デザート類が運ばれてきた。小さなグラスに入ったパフェ風ケーキを手にとる。スプーンですくって口に入れる。

『やばい!!』

 一瞬躊躇したが、口の中のものをグラスに戻し、汚れた皿が置かれているテーブルの隅に、そっと置いた。

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 スポンジケーキにたっぷりと、シェリー酒がしみ込んでいたのだ。きっとこのケーキを2,3個食べても、飲酒運転の検問にも引っかからないほどの量だろうが、これは危なかった。中川元大臣風に言えば、「ごっくん」していたら、断酒の経歴に傷がついていた。

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 もうひとつ、ゆるせない罠。

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 居酒屋での送別会。ぼくがずっと断酒しているのを充分知りながら、「**さんの送別会だから、久里浜さん、今日くらい一杯いいでしょう」と酒をすすめた年上の部下。

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 まわりの女性陣が「ダメ、ぜったい!!」と彼を止めてくれた。いや、すすめられても飲むつもりはまったくなかったのだが

 彼は何かあるといつのこの調子だ。ぼくのことがよほど嫌いなのか、記憶力が悪いのか、想像力が欠如しているのか、酒屋のまわし者なのか。たぶんそのすべてが正解なのだろう。

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 悪意がなくても落とし穴はある。

 悪意に満ちた罠もある。

 平和な世の中のはずなのに、ぼくのまわりは、けっこうハードボイルドなのだ。

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