本と森の交換
18日間、3週間半にわたって忙しい展示会の仕事をしていた。先週の金曜が最終日で、営業が終わってから撤去作業、そして会場の鍵を閉め、やっとひと段落。
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で、翌日の土曜日は朝の5時半に車を出し、途中友人をピックアップして福島県の只見という町に向かった。赤のMINIクーパーの後部座席を倒し、本が詰まったりんご箱7箱を積んでいく。2箱はぼくの、5箱は友人の分だ。
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只見町では村おこしの一環として、本を森と交換するという試みを数年前からしている。なんでも買い取り価格で約2000円分を、森1坪と交換してくれるのだという。編集の仕事をしている友人が仕事でたまった本をそこに宅配便で送るというので、ならばぼくの分も一緒に、ドライブがてら持参してみようということになったのだ。なにしろ今なら休日は高速道路1000円だから。
只見まで片道約300キロ。関越から山道を通り、濃い緑のなかを走る。窓を開けると春風とともに、春蝉の鳴声が聞こえる。途中から知ったのだが、只見線というのは鉄道マニアの間ではかなりの人気なのだという。あとで川沿いの単線を2両編成で走る電車を見ることができた。
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村おこしの集落に着き、荷物を降ろす。買い取り価格などは2週間ほど後郵送で知らせてくれるという。食堂はないので、手作りパン屋でパンを買い、山小屋のような古本屋兼喫茶店に持ち込んで昼食とする。まわりは山だらけ。一日前までしゃかりきになって働いていたのに比べ、なんとのどかな。住むには大変だろうが、旅人として訪れるには素敵な場所だった。
同じ道を戻るのもなんだし、ということになり、北上して磐越道から東北道経由で帰ってきた。走行距離750キロ。 結局、遊ぶときもしゃかりきになってしまった。翌日は、仕事と遊び両方の虚脱感をかかえ、ぼーっとしていた。
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個人的に高速道路休日1000円の経済刺激策は大歓迎だ。効果もあると思う。(ただし、ぼくが地元に落としたのは、古本と数百円の昼飯代だけだったが……)。
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ところで、友人は土産に会津の日本酒を買うつもりだったが、時間がなかったので帰りの高速道路のサービスエリアで探そうとして、結局一本も見つけられなかった。高速道路の売店での酒類販売は、みやげ物も含めて、厳しく規制されているようだった。飲酒運転対策ということなのだろう。 そのうち、田舎の駐車場つきスナックというのも姿を消していくのだろうか、などとふと思った。


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